ホーム

日本ケルト学会の公式ホームページです。

 「ケルト学」は古代ギリシャ・ローマの文献で「ケルト人」「ガリア人」などと呼ばれる人々に関連する研究、および18世紀に新しい言語学上の分類名称として登場した「ケルト語」を共通項とする諸地域(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、マン島、コーンウォール、ブルターニュ)に関連する諸学の集合体です。ケルト学の研究分野は言語学、文学、文献学、社会学、歴史学、考古学、人類学、民俗学、政治学、美術、音楽などの多方面に及びます。日本ケルト学会はこれらケルト学の諸分野における研究および成果の紹介を推進する一方で、欧米のケルト学やケルト概念の歴史的・批判的検討、さらにはケルト諸語地域の文化と日本文化との比較研究等を行っています。
 主な活動としては研究会、研究大会開催のほか、会員向けに「ニューズレター」(年2回発行)、学会誌『ケルティック・フォーラム』(年1回発行)を配布しています。

 

 

2024年7月20日(土) 14時30分~16時30分

会場:慶應義塾大学日吉キャンパス 来往舎2F 中会議室

発表者:中野智宏氏 (東京大学大学院)
発表タイトル:ケルト語派諸言語の歴史的研究―言語学の立場からみたケルト懐疑論
印欧語族ケルト語派の歴史については不明な点が多くあり、その筆頭がケルト語派内部の分類である。これまで、ケルト祖語 *kʷ が /p/ になったか /kʷ/ のまま保たれたかによってケルト語派を2分するP-/Q-ケルト仮説、地理的な分布によって分類する大陸/島嶼ケルト仮説が存在したが、近年の研究ではこれらとは異なるモデルも考案されている。また、20世紀後半から登場したケルト懐疑論の立場からは、大陸ケルトの諸言語(ガリア語、レポント語、ケルティベリア語など)と、島嶼ケルトの諸言語(アイルランド語、ウェールズ語など)がそもそも系統的に関係があるのかどうかについて疑問が呈されている。本研究会では、ケルト語派の歴史についての先行研究を整理して紹介し、大陸ケルトと島嶼ケルトの諸言語の系統関係について考える。


 

 

2024年度の研究大会は中央大学多摩キャンパスにて10月19日(土)・20日(日)に開催されます。皆様のご参加をお持ちしております。

プログラムはこちら

 

九州支部研究会のお知らせ

日時:4月27日(土)14:00~17:30
場所:西南学院大学1号館205教室
第1報告:「羽衣・あざらし女房伝説とメディア」
報告者 岩瀬ひさみ氏
要旨:天から地上に舞い降りた天女が羽衣を奪われて、奪った男の妻になるが子どもに羽衣の隠し場所を聞いて羽衣をとりもどし、天にもどる。このような羽衣伝説は世界中に見られる。このバリエーションとしてアイルランドやスコットランドではあざらし女房の話がある。あざらしではなく人魚の場合もある。このタイプの物語は現在でも小説や映画などのメディアで再生産されている。日本の羽衣伝説は特に奄美、琉球諸島など南の島嶼部での詳細な伝承研究が行われた。現在も沖縄では組踊で、喜界島では口説きという歌謡メディアに残っている。ユーラシアの西端と東端の島々に見られる羽衣伝説を比較してみる。

第2報告:「アイルランドの樹木に対する実用とイメージと」
報告者 平島直一郎氏
要旨:近年、アイルランドの樹木について、アイルランドの古い神話的な伝承から始め、初期中世の法律書に現れた樹木を価値によってランク付けしたリストなど、アイルランドのさまざまな樹木に対するイメージについて紹介してきた。今回はそれらの樹木がまず日常生活の中で、どのように使用されたのかを探る。それぞれの樹木の特性を生かした使われ方や、果実などが食品や薬品として実に広く使用された。